タイトルのセリフは小説『流しのしたの骨』江國香織 著より。
主人公の友人(クリーニング屋の娘)が彼氏と別れたことを話した時に言ったセリフです。
「どうして別れちゃったの?」
たいして興味もないまま私は訊いた。
「わからない」
クリーニング屋の娘は正直にこたえる。
「わからないけど、あのひとは私の運命のひとじゃないもの」
それだけははっきししているの、と言ってころころと笑う。別れたことのダメージというのは全然ないようなのだった。
「ボーイフレンドって素敵よね。いるあいだはたのしいし、いなくなると気持ちいい」
クリーニング屋の娘は邪気なく言ってのける。
「誰かいい男の子がいたら、今度はこと子が紹介してね」
私はクリーニング屋の娘を見直した。しま子ちゃんもこのくらい平らかな心を持っていればいいのに。
初めてこの小説を読んだのは高校生くらいのときでしょうか・・・このクリーニング屋の娘のセリフ、衝撃的で忘れがたく、印象に残っています。
Contents
こんな風に物と付き合いたい
拒絶するわけでもなく、執着し過ぎるわけでもなく、一緒にいる間は愉しみ、去っていくときには「ああ、さっぱりした」とほほ笑む余裕。
物と付き合う上でこんなスタンスでいければな~と常々思っています。
以前は、本当に物への執着がすごくて、メンズでしか作られていないカラーの服を自分が着られないのに諦められなくて、夫に着てもらったり↓
どうかしてるぜ!!(ブラマヨ吉田さん風)
心掛けるようにしていること
・ネット通販の注文欄に「在庫残りわずか」とあっても動揺しない。
・「無くなったならご縁が無かった」と思うようにする。
・定番とちょこっと色や柄が違うだけの限定品に目の色を変えない。
・もう絶対着ない服を「もったいなから」と、とっておかない。
上記箇条書き、なかなか完璧に実行するのは難しいのですが、少しずつでも執着を手放していきたい。
「断捨離」で言うなら「離」の部分ですね。
断と捨はけっこうできてきたような気がするのですが、離は難しい。
小説のクリーニング屋の娘のように軽やかに楽しく、執着せず、物とお付き合いしたいと切に思っています。
「流しのしたの骨」はタイトルだけ見ると、サスペンス調ですが、内容はサスペンス要素ゼロ。
ある家族の日常を描いた物語です。