本の感想『貧乏人の経済学』

本の感想。『貧乏人の経済学』A・V・バナジー&E・デュフロ/山形浩生 訳

津村記久子さんの書評本に紹介されていた本です。

こちらのブログ記事でもこの本について少し触れています↓

本の感想。『枕元の本棚』津村記久子 著
津村記久子さんの書評集。気になる本がありすぎて、ものすごい長い記事になりました。

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なぜ貧困が起こるのか?どうしたら改善されるのか?

この本のすごいところは机上論ではなく、実際に貧しい地域に赴いて聞き取り調査をしている&改善策を実際に試す実証実験を繰り返し行っていることです。

実際どうなの?というところが明らかになっています。

意外な事実も多くあり、興味深く読めました。

貧乏な人の意外な行動

食事が足りない人でも美味しいものやテレビを優先する

わたしたちは彼とその一家をひどく気の毒に思い始めたのですが、そのとき座っていた部屋にテレビ、パラボラアンテナ、そしてDVDプレーヤーがあることにきづいたのです。

もし家族の食べ物が足りないと感じているなら、なぜそういうものを買ったのか尋ねてみました。

彼は笑ってこう言うのです。

「いや、だってテレビは食べ物より大事でしょ!」

勝手なイメージですが、食べるものに困っている人って「食べ物最優先」かと思っていました。そんなことはないという驚きの事実でした。

安い予防よりも高い治療にお金を使ってしまう

ですから問題は、貧しい人々が健康にいくら使っているかということではなく、何にお金を使っているかということです。

安価ですむ予防よりも、高くつく治療にお金が使われているのです。

ウダイプールの貧乏な人々は、二重の意味で高価な対策を選択しているようです。

予防よりも事後治療、そして政府が無料で提供する訓練を受けた看護師や医師による治療よりも、民間の医師による治療というように。

医療に使うお金の配分が少ない、というより使いどころがおかしいということらしいです。

コスパの悪いお金の使い方をしているということ。

予防を軽視して症状が出てから高額の悪魔祓い的なものにお金を使ってしまうというような。

貧乏な人が特別怠惰で無知なダメな人というわけではない

栄養のあるものより美味しいものやテレビなどの娯楽を選んでしまったり、予防医療に対する知識がなかったり・・・と聞くと「貧乏な人が貧乏なのは即物的で無知なせいだ、本人の責任だ」と思ってしまいがちですが、そういうことではなく。

貧乏な人々は、他の人を悩ませているのと同じ問題にとらわれていますー情報不足、弱い信念、そして問題の先送りなどです。

確かに貧乏でないわたしたちは、いくらかよい教育を受け、情報も持っていますが、そのちがいはたいしたものではありません。

わたしたちの本当の強みは、当然のように享受している多くのことから来ています。

きれいな水の出る水道がひかれた家に住んでいますー毎朝忘れずにクローリンを水に加える必要はありません。

医者ができる限り最善を尽くしてくれると(おおむね)信用できるし、あれをしろとかこれをするなとか、公共の保健制度が定めた事項も信用できます。

子供に予防接種を受けさせないわけにはいきませんー予防接種を受けていないと、公立学校に入れませんから。

つまり、先進国の貧困でない人は多くの安全に暮らせる仕組みに囲まれているだけ、ということ。

自分の健康についての正しい決断を責任をもって下せるほどに賢く、忍耐強く、知識のある人など、誰もいないということを認識すべきです。

豊かな国に住む者は目に見えない後押しに囲まれて生活しています。

筆者は「貧乏な人々が容易に受けられる予防的ケアに投資することが大切」と説いています。

ストレスで衝動的な決断をしてしまう

貧乏な人はかなりのストレス下で暮らしており、ストレスによるコーチゾルはもっと衝動的な意思決定に人を走らせてしまいます。

この本ではコーチゾルと記載されていますが、一般的に言われているコルチゾールのことだと思います。

人はストレスを受けると副腎皮質からコルチゾールを分泌します。

このコルチゾールが前頭葉などの衝動を抑える部分に影響して衝動が抑えられない状態になってしまうようです。

お金がなくてストレスが多い時ほど衝動買いは増えやすくなります。

希望が持てれば無駄遣いは減る

マイクロ融資が使えるようになったとき、一番明確な影響の一つは、女性たちが減らしたいと語っていたものーお茶、お菓子、アルコールーへの支出が減ることでした。

マイクロ融資とは高利貸しからしかお金を借りられない貧乏な人々に事業資金を貸すシステムのことです。

将来の自分の生活を改善できるという希望によって、マイクロファイナンスから融資を受ける女性の無駄遣いが劇的に減ったそうです。

動機や規律は生得的なものなのだと思ってしまいがちです。

その結果として、怠け者の貧乏人を甘やかしすぎるのではないかといった心配が常に出てきます。

わたしたちに言わせれば、ほとんどの場合の問題は逆です。

欲しいものがすべて、どうしようもなく手の届かないところにあるように見えたら、やる気を維持するのはあまりにむずかしい。

ゴールポストをもっと近づけてあげることこそ、まさに貧乏な人々がそれを目指して走り出すために必要なのかもしれないのです。

希望がないと投げやりなお金の使い方になってしまうということ。

逆に希望や目標があればそれが貯蓄への強力なモチベーションになることを著者は説いています。

まとめ

現在貧困に陥っている人はなにも特別な人ではないこと。

また借金を抱えてしまった人々は希望がなく投げやりな意思決定をしてしまっている結果、無駄遣いでお金を使ってしまっていること。

どんな援助をすれば貧困に対して効果が得られるのか、地道な実証実験とヒアリングがとても参考になる一冊でした。

本日もお読みいただきありがとうございます。

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