服が売れないのは誰のせい?『誰がアパレルを殺すのか』感想。

本の感想。『誰がアパレルを殺すのか』杉原淳一/染原睦美 著

「服が好きですか?」と訊かれたら、たぶん「人並みに好きです」と答えます。

○○コレクション的な物まではチェックしないけど、洋服売り場を歩けばウキウキとウィンドウショッピングするし、ネットで洋服のページを見れば、いそいそと自分の好きな洋服を探します。新しい服を買えば心も浮き立ちます。そんな程度には(だからけっこう)服が好きです。

そんなわけでこちらの本のタイトル、ものすごく気になりました。
読んでみたら、これが非常に面白かったです。

なぜ、アパレル業界は需要が見込めないほどの大量生産するようになったのか、現場販売員の過酷な労働環境、なぜデパートで服が売れなくなったのか・・・などなど、興味のある話題ばかり。

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大量生産と商品企画丸投げの結果

アパレル業界が手を染めた大量生産、大量出店というビジネスモデルは、業界のあらゆるプレーヤーを不振に追い込んだ。

なぜ、需要見込み以上の大量生産をするようになったのか

中国で大量に作り、スケールメリットによって単価を下げる。

代わりに大量の商品を百貨店や駅ビル、SCやアウトレットモールなど、様々な場所に供給することでなんとか商売を成り立たせる。

需要に関係なく、単価を下げるためだけに大量生産し、売り場に商品をばらまくビジネスモデルは、極めて非合理的だが、麻薬のように、一度手を染めると簡単にはやめられないものだった。

ムダを承知で大量の商品を供給しさえすれば、目先の売り上げが作れるのだ。

中国で大量に作ることで商品一つ当たりの製造コストを抑える。

大量に作ることが単価を下げる前提となっているので、それほど需要の見込みがなくても大量生産が止められない・・・という負のループになってしまう、ということらしいです。

なぜ、違うブランドなのに似たような商品ばかりになってしまったのか

本来なら「こんな商品を作ってほしい」と具体的な指示を出す相手だったはずの商社やOEMメーカーに「何でもいいから、売れ筋商品を持ってきてくれ」と頼み続けるうちに、自ら売れ筋を生み出す力を失っていった。

アパレルメーカー自体で企画することなく、商社やOEMメーカーに丸投げし続けた結果、どこのブランドもブランドタグが違うだけの似たり寄ったりの服になってしまったという残念な結果に。

「買いたい服がない」―。

結果、消費者はこう思うようになった。

百貨店やSCに並ぶのは、似たようなデザインの服ばかり。

たしかにここ数年、「今年はこれが流行です!」となると、ブランド関係なく似たような商品が街に溢れかえるという現象になっていた気がします。

たとえば花柄刺繍のシャツとか去年の夏、大量に見かけました。

大量生産とは一線を画す、ミナ・ペルホネン。

本書後半に取り上げられているアパレルメーカー、ミナ・ペルホネンの取り組みが興味深かったです。

こちらの商品を購入したことはなく、名前だけお聞きしたことがあるくらいで、「なんか北欧(マリメッコの仲間的な)」みたいなあいまいなイメージでした。

マーガレットハウエルのようにデザイナー兼創業者のミナ・ペルホネン氏(イメージはフィンランド人の女性)がいると思ってました(汗)。

日本人の皆川明さんが創業者兼デザイナーの日本企業でした(無知でお恥ずかしい)。

一昨年の服も普通に販売されている

一般的なアパレルメーカーは

大量生産・大量販売

そしてそのシーズン後半には売れ残りを大幅に値下げして投げ売り

売れ残ったら大量廃棄

という流れらしいのですが、ミナ・ペルホネンには「売れ残り」という概念はなく、売り切るまでそのまま販売を続けるというスタイルらしいです。

「来年にはゴミになる」服を作らない

「その服は、一昨年に発売したワンピースです。腕の部分の形が特徴的なんです」

丁寧に説明する店員の姿は、普通の衣料品(アパレル)ショップと何ら変わらない。ただ一つだけ、大きな違いがある。それは店員が2年前の商品を説明しているところだ。

この部分を読んで、ほんとそう!そうあって欲しい・・・と思いました。

服が着られなくなる理由って「服そのものが物理的に着られなくなる」というより、「流行遅れで恥ずかしくて着られない」の方が圧倒的な気がします。

「流行はNG」と言ってるわけじゃなくて、もっとゆっくり、じわじわした流れになってくれないものかと。

去年の服がもう着てたら恥ずかしい(女性誌のコピーにありがち)とか、そんな急流、とてもじゃないけどついていけません。

皆川氏にとってみれば、毎シーズン商品が入れ替わる商習慣そのものが異様に映るという。

良い商品であれば、簡単に時代遅れにならないはずだ。

こういう考え方、ほっとします。

そういえば、大昔の学生時代(ググったら1997年のCMでした)に今はなきバーバリーブルーレーベルのCMで「去年の服では、恋もできない」というコピーを聞いて、「んなアホな!!」と驚愕したことを思い出しました。

77歳の販売員さんがいる

本書前半に書かれていますが、アパレルの販売員さんは若者を使い捨てというのが非常に多いそうです。

「正社員にしない文化や、販売員の待遇は低く抑えて当たり前という意識は、ずっと昔からアパレル業界に染み付いている」と大手アパレル企業の元幹部は嘆く。

この部分でも、ミナ・ペルホネンは通常のアパレルとは逆行しています。

なんと70代の販売んさんもいらっしゃるそう。

こういう会社がもっと増えるといいな~

まとめ

アパレル業界に興味のある方、一般の服がどのような流れで作られているのか興味のある方にお勧めの一冊です。

本日もお読みいただきありがとうございます。

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