恐妻家の殺し屋が主人公の小説『AX』感想。

本の感想。『AX』伊坂幸太郎 著

5編の短編の連作。

主人公は恐妻家の殺し屋です。

『マリアビートル』のアナザーストーリーという感じでしょうか。

タイトルの「AX」は斧。蟷螂の斧です。

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主人公の奥さんへの気遣いがすごい

主人公、恐妻家ということで、奥さんとの会話の気遣いがすごいです。

奥さんから「夕飯何が食べたい?」と訊かれたときの主人公の思考です↓

何が食べたい?と妻に訊かれた際に、どう答えるべきか。もちろん正解はないものの、兜は経験からいくつかのことを学んでいた。

「何でもいいよ」と返事をするのは論外だ。

何でもいい、と言われて喜ぶ料理人はいない。「では、デリバリーを頼もう」「外食するか」と景気良く返すのは悪くない。

悪くないが、良いわけでもない。相手の機嫌によっては、「そんなに贅沢できるわけがないでしょ。あなたは本当に、家のことに云々かんぬん」と責められる危険性がある。

ベストアンサーを導き出すべく必死。

これは・・・作者の伊坂さんも奥様との会話でこんな気遣いをされているのでしょうか。

さらに、家の庭にハチの巣ができた時の奥さんとの会話↓

「わたしはまだしも、ほら、克己が刺されたりしたら」

「そうだな」兜は深く考えずに、妻の意見に同意を表明するつもりで答えたが、妻の目つきが鋭くなったため、慌てて、

「いや、君が刺されてももちろん、大変だよ」と言い足す。ひっかけ問題のようなものだ。

ひっかけ問題て・・・「こう来たらこう返せ」的なノウハウの蓄積がすごいです。

この後、主人公は「対奥さんノウハウ」をノートにまとめ始めます。

四編目の「EXIT」から急展開

奥さんとの掛け合い(時々息子さんとも)がとても楽しく、「これぞ、伊坂小説!」と、普通に読み進めていたのですが、四編目のラストで急展開、もう、続きが気になって、結局最後まで読まずに寝れず、まさに巻を措く能わず状態に。

医師と克己(主人公の息子)の会話、響きました↓

「死はおそろしいものですよ。何もかも消えます。お父さんも例外ではありませんよ」

「そんなことはないですよ」僕はこれだけは明言できた。「父がこの世で一番怖いのは」

「何ですか」

「母ですから」笑ってみせるべきだと分かっているにもかかわらず、僕の目には涙が滲んでいる。

トークに笑って、ちょっと泣ける。

スピード感のあるストーリー展開の小説です。

ものすごく楽しんで読みました。

本日もお読みいただきありがとうございます。

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