本の感想。『太陽と乙女』森見登美彦 著。
森見登美彦の小説が好きです。
出版された小説はほぼすべて読んでいます。
特に大好きなのは『有頂天家族』↓
どんなドラマよりも今期放送を楽しみにしているのは、東京MXで放送中の「有頂天家族2」です。原作小説のご紹介など。
今回の本には今まで書かれた色々なエッセイが入っています。
そして、知らなかった事実。
2011年に連載全停止して、東京から奈良へ引っ越されていたこと。
その頃、私は仕事を並行して引き受けすぎて、七つぐらいの連載が同時に進んでいた。
そのうち、私は事態を改善しようという意志そのものを失い、来るべきカタストロフィを何かポカンとした顔で待っているような状態になった。
そして、二〇一一年の夏、精神的にパンクして、全連載を停止した。
新聞連載の『聖なる怠け者の冒険』を本で読んだときに「?」となりましたが、こういう背景があったのですね。
『有頂天家族』についても、「三部作らしいのに、続編がなかなか出ないなぁ」なんてのんびり考えていたんですが、こんな修羅場があったとは・・・。
有頂天家族の第二部が遅れたことについて、『有頂天家族』第二部刊行遅延に関する弁明、という文章があり、改めて、面白い小説を読める裏側には作者のご苦労や努力があるのだなぁ、と思い至りました。
だから正直に言うほかない。
単純に迷走していたのである。
『有頂天家族』第二部刊行遅延に関する弁明、より。
ご苦労の上に生み出された有頂天家族の第二部は素晴らしかったです。
第三部もとても楽しみなのだけれど、のんびり待とうと思います。