新しい「お金」に関する本、と噂の『お金2.0』を読んでみました。
一番印象に残ったのは、「お金」が最早、国が発行する通貨だけではなくなっているということ。
トークンエコノミーの世界
トークン・・・と聞くとチケットや切符なイメージだったのですが、ここで使われる「トークン」はある経済圏で通用するお金のようなもののこと。
トークンエコノミーでは、特定のネットワーク内で流通する独自の通貨をトークンとして生産者が発行して、完全に独自の経済圏を作り出すことができます。
通貨であるトークンにどのような性質があり、どんなルールで流通するかも企業や個人や組織が自分たちで考えて自由に設計することができます。
私の場合、「ある経済圏で流通するお金のようなもの」と聞いて真っ先に思い浮かんだのが「楽天ポイント」でした。
楽天ポイントは1ポイント1円分として楽天市場内のお買い物に使えます。
さらに、楽天証券の口座を持っていれば、ポイントで金融商品を買うことも可能。
楽天モバイルに加入していれば、通話料金もポイントで支払える・・・たしかにこれはもう、お金だ。
全然「お金」という認識が無かったので、この説明は目からウロコでした。
複数の経済圏があることで可能性が広がる
現在の資本主義経済の中ではうまく居場所を作れない人も、全く違うルールで回るオンライン上のトークンエコノミーでは活躍できるかもしれません。
また一つの経済の中で失敗したとしても、いくつもの異なるルールで運営される小さな経済圏があれば、何度もやり直すことができます。
以前は「日本円を稼ぐ」という選択肢しかなく、その世界で収入につながらない物は無価値のように扱われてきましたが、これからの世の中では「勤めに出て法定通貨を稼ぐ」以外の働き方も見えてきた、という話が印象に残りました。
トークンの話以外でも、例えば国がビットコインのような仮想通貨「エストコイン」を発行したエストニアの話など、興味深いお話がいっぱいでした。
お金とは何か?経済は今後どのようになるか?などに興味のある方におすすめです。